こんにちは!

墨田区押上にある快活整体 Live Foreverのきむらです!
腕のしびれや肩のだるさで来院される方の中に、「胸郭出口症候群」と診断されたことがある、あるいは調べていてこの名前にたどり着いた、という方が少なくありません。

今回は胸郭出口症候群の症状やリハビリについてわかりやすくお伝えします!
胸郭出口症候群ってどんな状態?

胸郭出口症候群(TOS:Thoracic Outlet Syndrome)は、首から腕に向かう神経・動脈・静脈が、鎖骨まわりの狭い出口で圧迫・牽引されることで起こる疾患です。
圧迫が起こる場所は主に3か所あります。
- 斜角筋三角(前斜角筋と中斜角筋のあいだ)
- 肋鎖間隙(鎖骨と第一肋骨のあいだ)
- 小胸筋下間隙(小胸筋の深層)


どこで詰まるかで症状が違うってこと?
そうです!同じ「胸郭出口症候群」でも、どこの箇所で圧迫されているかによってアプローチが変わります。

こんな方がなりやすい

臨床でよく見かけるタイプとして、以下のような特徴があります。
- なで肩の方:鎖骨が下がりやすく、神経・血管が引っ張られやすい
- デスクワーカー:長時間の前傾姿勢で小胸筋が短縮し、神経の通り道が狭くなる
- 野球・バレーボールなど腕を上げるスポーツをする方:反復動作で斜角筋や小胸筋が過緊張しやすい
- 首が長く細い方:解剖学的に神経の走行が引っ張られやすい体型

デスクワークで肩こりがひどい人も当てはまりそうだな…
そうなんだ!肩こりだ思っていたら、実は胸郭出口症候群だったというケースも少なくありません。

どんな症状が出るの?

胸郭出口症候群は神経と血管のどちらが圧迫されているかで症状が分かれます。全体の約95%は神経型ですが、両方が混在することも珍しくありません。

タイプと症状の違い

そして胸郭出口症候群の病態は以下の3つのタイプに分かれます!


「腕を上げると症状が出る・悪化する」のが神経型・動脈型の特徴です。一方で「腕を下げていても症状がある」場合は牽引型(なで肩タイプ)を強く疑います。電車のつり革につかまるのがつらい方は要注意です。

混合型が一番多いのね。自分がどのタイプか調べる方法はあるのかしら?

あります!整形外科的なセルフテストで確認できますよ。ここからが今回の記事のメインです。
セルフテストで確認してみましょう

胸郭出口症候群には複数のテストがあり、それぞれ圧迫される場所を評価します。1つだけ陽性でも参考になりますが、複数陽性であるほど可能性が高まります。
① Roosテスト(ルーステスト)

最初はルーステスト。肋鎖間隙〜小胸筋下間隙で神経・血管が圧迫されてるか調べます。自分で行うなら一番やりやすいテストです。

陽性判定: 1分以内に腕のしびれ・だるさ・脱力が出現、または症状が強くなれば陽性です。

健常者でも長時間腕を上げると疲れます。「明らかなしびれ・脱力」が出るかどうかが判断のポイントです。つり革を掴んでいるときに腕がしびれやすい方は、このテストで陽性になりやすい傾向があります。
② アドソンテスト(Adson Test)

次はアドソンテスト!斜角筋三角(前斜角筋・中斜角筋間)の圧迫を調べます。

陽性判定: 橈骨動脈の拍動が弱くなる・消失する、またはしびれが出現・増強すれば陽性です。

脈が消えるって怖いな…
顎を上げて顔を向けることで前斜角筋が緊張し、鎖骨下動脈が圧迫されるためです。ただ健常者でも10〜20%程度で脈の減弱が見られることがあるので、「しびれの再現」と合わせて判断することが大切です。

③ モーレイテスト(Morley Test)

3つ目はモーレイテスト。斜角筋三角・鎖骨上窩での神経の過敏性を調べます。

陽性判定: 局所的な圧痛だけでなく、腕・手指にしびれや放散痛が再現される場合に陽性です。

「押したら痛い」ではなく、「腕に向かって走るような感覚」が出るかどうかが分かれ目です。これは神経がすでに興奮性の高い状態にあることを示しており、施術の優先度を判断する上でも参考にしています。
④ ライトテスト(Wright Test)

最後はライトテスト。小胸筋下間隙での圧迫を調べます。野球やバレーボールをしている方によく陽性が出ます。

陽性判定: 橈骨動脈の拍動減弱・消失、またはしびれの出現・増強で陽性です。
ライトテストは自分だけで行うのが難しいので、他の人に脈を測ってもらってください!

テスト結果の見方
| 陽性テスト数 | 次にとるべき行動 |
|---|---|
| 0個 | 胸郭出口症候群の可能性は低め。他の原因(頸椎症・手根管症候群など)も検討 |
| 1個 | 経過観察。症状が強い・続く場合は専門家へ |
| 2個以上 | 整形外科または整体の受診を推奨 |
| 脈が消える・腕が青白くなる | 血管型の可能性あり。整形外科を優先 |

明らかに脈が弱くなったり、腕のしびれが強くなる場合は必ず整形外科に受診しましょう!
タイプ別セルフケア・リハビリ

手術が必要になるケースは全体の数%程度で、大半はリハビリとセルフケアで改善します。ただしタイプによってアプローチが変わります。なんとなく良さそうなストレッチが逆効果になることもあるので、自分のタイプを確認してから取り組んでください。
斜角筋ストレッチ(全タイプ共通)


しびれが増強する場合は中止してください。「気持ちいい伸び感」が目安です!
小胸筋ストレッチ(圧迫型・混合型に有効)


硬くなりやすい大胸筋も一緒にストレッチできます。
肩甲骨引き寄せエクササイズ(牽引型・混合型に有効)


「肩をすくめる(上に上げる)」のではなく、「後ろ下に引く」イメージが大切です。首に力が入らないように注意してください。
牽引型でやってはいけないこと

なで肩タイプは神経がすでに引っ張られた状態にあるから、以下のことは逆効果になるから気をつけてね。

こんな症状があれば専門家へ

セルフテストで2つ以上陽性だった方、または以下に当てはまる方は専門家への相談をお勧めします。
- 安静にしていてもしびれ・だるさが続く
- 手の握力が明らかに落ちている
- 腕が青白くなる・脈が消える感じがある
- 2〜3週間セルフケアを続けても変化がない

胸郭出口症候群は「どのタイプか」「どこが主な圧迫部位か」によって、アプローチが大きく変わります。当院では理学療法士による評価をもとに、タイプに合わせた施術を行っています。腕のしびれや肩のだるさでお困りの方は、お気軽にご相談ください!